金属を使用しないメタルフリー治療について
[2016年04月20日]
こんばんは。院長小北です。
今回は、当院で使用しているメタルフリーの素材を紹介します。
保険でよく使用される金属は、見た目が悪いだけではなく、パラジウムやスズなどの、人によってはアレルギーを起こしやすい成分が含まれています。
口の中に入れた金属は、口腔内という過酷な環境においてイオン化して溶け出し、アレルギーの原因になる場合があります。
メタルフリーの審美治療とは、金属を使用しないクラウン(かぶせもの)やインレー(つめもの)を入れることで、金属アレルギーを防いだり、口腔内の審美性を向上させ、歯を本来の姿にする、見た目の美しさを求めた歯科治療です。
当院で行っている金属を使用しない被せ物には以下の4種類あります。
フルジルコニアクラウン、e.max、ジルコニアセラミッククラウンは自費治療になります。
CAD/CAM冠は小臼歯のみ保険適応です。
それぞれについて説明していきます。
キュービックジルコニア等の人工ダイヤモンドでよく知られるジルコニア製の土台の上にセラミックを焼き付けたクラウンになります。
天然の歯の色や模様を再現することが可能です。
強度と審美性を兼ね揃えた最高級のクラウンです。
すべての部位に使用可能で、ブリッジも可能です。
1本90,000円
e.maxは、従来のセラミックの4倍程度の強度があるセラミックです。
透明感のある素材で、天然の歯に近い色をしています。
シンプルな歯の色の場合におすすめです。
歯に複雑な模様があったりする場合、ブリッジにする場合は、上記のジルコニアセラミッククラウンをおすすめします。
1本75,000円
ジルコニア製のクラウンで、従来のセラミックよりも硬く、e.maxの倍程度の強度があります。
医科では人工関節でも使用されている安全で生体親和性の高い素材です。
セラミッククラウンが割れたことがある方や噛み合わせやスペースの都合などでセラミックが使えなかった方にはおすすめです。
欠点は、素材の色が天然歯に合わせることが難しいことです。
前歯に使用することは少なく、主に奥歯に使用します。
1本50,000円(ステイン加工 +10,000円)
こちらの写真は、フルジルコニアクラウン、フルジルコニアクラウン ステイン、ジルコニアセラミッククラウンを並べて撮影したものです。
フルジルコニアクラウンにステイン加工を行うと、真ん中のように歯の溝がはっきり見え、天然の歯の雰囲気に近づきます。
ジルコニアの上にセラミックを焼き付けると、天然歯を再現したジルコニアセラミッククラウンになります。
ジルコニアセラミッククラウンは、非常にきれいです。
平成26年4月から、ハイブリッドレジンを含んだCAD/CAM冠が小臼歯のみに保険適応になりました。
色は3色から選ぶことができ、天然の歯の色に合わすことは難しい素材ですが、銀歯が入ることを思うと見た目はきれいになります。
欠点は、素材の接着性が弱く外れやすいことと、噛む力が強い方は割れてしまうことがあることです。
ですので、素材の厚みが取れないような歯が短い場合や入れ歯の金具のかかる歯、歯の本数が少ない方などは外れやすかったり、割れたりする可能性がありますので、従来の銀歯や自費治療のセラミッククラウンをおすすめしています。
3割負担の方で1本約9,000円程度になります。
症例についてはこちらをご覧ください。
※ 記載している価格は税別表記です。平成28年4月20日現在の価格です。