予防歯科

予防歯科とは

歯周病や虫歯は命にかかわる病気でもないし、そこまで一生懸命に予防する必要もないのでは…と考えられている方は少なくありません。しかし、それは大きな間違いです。これらの歯の病気は皆さまの人生のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を大幅に低くします。

母親が歯周病にかかっていると、早産のリスクが約7.5倍になることが今までの研究で分かっています。また、虫歯が多いと食事が偏るため、肥満や生活習慣病になりやすいです。そのほか、口臭がきつくなるなど歯周病や虫歯の弊害は決して少なくありません。逆に言えば、こうした虫歯や歯周病を防ぐことが出来れば、人生のQOLを向上させることができるのです。
悪くなってから歯科医院にくるのではなく、悪くなるのを未然に防ぐために歯科医院へ来る習慣を身につける事が大切です。

虫歯について

虫歯とは、酸で歯が溶けてしまう病気です。歯は人間の体の中で最も固い部位ですが酸に弱いという弱点があり、長い間酸にさらされているとだんだん溶けてしまいます。酸ができる原因は食べものに含まれる糖質です。この糖質の多い食事をしていると、自然と虫歯になりやすくなります。しかし、糖質を多くとっていても、正しい歯みがきが出来ていればほぼ完全に防ぐことができます。
当院の予防歯科では健診の他、正しい歯磨きの仕方の指導なども行っておりますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

歯周病について

歯周病とは、歯の周りにある骨が溶けてしまう病気です。明確な痛みがある虫歯と違い、症状がないままに病気が進行するという特徴があります。そのため、気が付いたときには重症化していることが多いです。

歯周病を放置していると、病原菌が血管に入り込んで全身に回り、他の臓器に影響を与えます。歯周病患者は脳梗塞、肺炎、狭心症、糖尿病、流産もしくは低体重児出産にかかる可能性が高くなるといわれています。現時点で症状がないという方も、定期検診の受診をおすすめします。

歯周病の関係する主な疾患
脳梗塞

歯周病の無い人に比べ、重度の歯周病があったり、歯周病で歯を失った人は脳梗塞を発症する確率が高い事がわかっています。

肺炎

寝たきりの高齢者の方や、手術をされた患者さんなど、体力が弱っている人は、歯周病原菌が肺などに侵入し、肺炎を起こす可能性が高くなります。(誤嚥性肺炎)

低体重児出産

重度の歯周病をもつ母親は、お口が健康な母親に比べ、低体重児出産の可能性が高いという事がわかっています。

細菌性心膜炎

プラーク中の細菌は、他の組織に対して強固な付着機能を持つため、組織内に入り込み心臓の弁やその周囲に付着・増殖して心膜炎を起こすことがわかっています。

狭心症・心筋梗塞

重度の歯周病のある人ほど、冠状動脈硬化による心疾患が多くなるという事がわかっています。また、歯周病原菌が動脈硬化部位に見つかるという事が明らかにされています。

糖尿病

歯周病が糖尿病を悪化させるという悪循環に陥るという事がわかってきています。歯周病をきちんと治療する事で、血糖値やHbA1Cが改善するといった報告もあります。

定期検診

歯の健康を保つにあたって定期検診は非常に重要です。健康診断は年に1回行うことと法律で定められていますが、歯科の検診については法律で定められてないため、1年に1回以上健診を受けている人は全体の52%にしかすぎません(日本医師会調べ)。

定期検診を受けた人と受けていない人の虫歯と歯周病になる確率には大きな差があります。定期検診を受けて、歯の健康を保ちましょう。

<定期検診を受けた人と受けていない人の虫歯と歯周病になる確率>


定期的に受診をされていない患者様
定期的に受診をされた患者様

PMTC

PTMCとは専門家が行う歯の清掃のことです。普段皆さまはご自分で歯を磨かれているかと思いますが、自宅で行うブラッシングには限界があるため、どうしても磨き残しが発生してしまいます。PMTCはそうした磨き残しをきれいにするための、特殊な歯の清掃です。

毎日の歯磨きで歯垢を完全に落とすのは、歯科医師や歯科衛生士でも難しいとされています。健康な歯を保つためにも、3か月に1回程度PMTCを受けられることをお勧めします。

症例紹介

歯石は目に見える部分だけでなく、歯茎の中にも溜まります。(黄色の部分)これを放置すると、歯茎が炎症を起こしたり、歯周病が進行する原因になります。レントゲンでは、目に見えない歯茎の中にも歯石が溜まっていることがわかります。歯石が除去することで、歯茎の炎症が治まり健康な引き締まった状態に戻ります。
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